殺伐としていた気持ちはだいぶ良い感じに落ち着いている。
昨日は午後から精密検査の前に、通院している医院に息子と行き、心電図検査の結果を聞き、血圧検査、そしてまた念入りにエコー検査をしていただいた。
待ち時間は1時間だと言われたので、患者があまりいない通路の日当たりのいい椅子に腰をかけ、持ってきた本を読み出した。
文章や内容もすんなり頭に入ってくる。自分が思ってる以上に落ち着いてる自分に驚いた。精神状態が急降下している時は文章なんて、とてもじゃないけど頭に入ってこないし、長い文字を読むだけで眩暈がしてくる。
なんだか肝が座りすぎてしまったな。と思いながら、強すぎる西陽を浴びながら黙々と本の世界に没頭していた。
夢中になって本を読んでいるのは誰が見てもわかるのに、何人か病院のスタッフさんが私の目の前を通り過ぎる時に挨拶をしてきて、ちょっとそれに驚いたんだけど、挨拶返しできるぐらいに私の心は落ち着いていることも待合中に自己確認できた。
陽の光を浴びたステンドグラス風のブックマークは、本にも写りとても綺麗だった。
人生、平坦で、なだらかな道をトロッコ電車のような速さで終わりまで行く。そんな人がどれほどいるんだろう。と毎回思う。
良い時の後には必ずといっていいほど、下り坂が目の前に現れる。その乱気流のような問題を今自分ができる力を持って対処するしか切り抜ける術はない。
40年以上生きていると、悪い出来事の後には超ラッキーなことが待ってるんで、こんなの乗り越えてやるよ。と問題解決能力も上がってくる。
グジグジしてる自分が嫌いだしカッコ悪くて許せない。
誰かが自分の手を引いて勝手に極楽浄土に連れて行ってくれたりするわけもないんだから。
誰も助けてくれないんだから。と言いたいところだけれど、私には親身に心配して、何かあったときに見返りなんて期待せずに動いてくれる、エンパシー力が高い友達たちがいる。これがどれほど心強いか。今までどれだけの人たちに助けてもらったかわからないほどだ。
私は母によく若い時から言われるが、人にはとても恵まれている。
破天荒すぎてほっとけなくなるのかもしれない。
人付き合いが上手いとは言えないんだけどね、だからこそ心の底からありがたいとも思える。
今回の息子の件でも、本当に励まされた。ありがとう。
検査が終わった息子とまた主治医のところへ行き、紹介状を書いてもらうことになった。
私がこの医師に対し、信頼している部分はたくさんあって、
1つだけ、いつも（はっ）とさせられる言葉が
息子が違う専門病院に行かなくてはいけない状況になった時に、私が「明日連れて行きます。」「来週連れて行きます。」と答えると
「ありがとうございます。」
と言うのだ。
さらっと言葉に出しているけど、毎回、この先生はすごいな…と思わされる。
親としては、何か子供の健康状態に問題があれば検査なり病院に連れて行こうとすることは当たり前の行為なんだけれど、私の勝手な解釈で先生の真意は分からないけど
「息子さんを大事にしてくれてありがとうございます。」
にいつも聞こえるのだ。その先生の返し言葉にはいつも優しさがある。
なので、先生と親密なお付き合いや、世間話も5年近くしたことなんてないんだけれど、私なりに最近は先生との関係性が少しだけ打ち解けたような気がして、私から歩み寄るのに、先生にベビーカステラを持参して渡している。昨日で2回目。
なぜベビーカステラって、病院近くのお店でちょうど美味しいベビーカステラ屋さんの出店日と通院日が重なっているだけなんだけれど。
ベビーカステラのおばさんになりつつある。
私なりの（感謝の気持ち）。
紹介状も来週あたりに届く予定なので、今後の息子の動向のことなども考えていかないとな…と頭の中はアイディアスクリーンが次々と横にスクロールしていっている。
どうしようかね、まぁ、なんとかなるでしょ。
歳のせいなのかな。
人間歳をとってくると丸くなってくると言うけど、ほんとその通りで、最近では息子にも（丸くなったな…）なんて言われる始末。（とってもいいことだ）
瞬間湯沸かし器で、ブチギレると誰にも止めれないほど特攻していく私が、最近ではこうやって、たった1日で気持ちの切り替えがうまくできるようになったのは、アンガーマネジメントができるようになったってことでよろしいんだろうか…
よろしいんだろうきっと。ていうか、いちいちキレて言葉に出して相手に伝えるってことが面倒になってきたのもある。
他人や一般市民には尚更のこと。自分や家族が危険にさらされたら話は別だけど。
なんせ、もう自分も41歳。
ダラダラと時間を消耗できていた年齢ではもうない。
時間がないのだ。
私の人生設計では55歳ぐらいでぽっくり死ぬ。という設定になっているもんだから時間がない。（こんなこと言ってる人間は100歳まで生きるんだよね、なんて友達と笑うけど）
病院帰りにいつものお肉屋さんに行って、コロッケをあげてもらおうと60代ぐらいの定員さんに注文したら、すごい形相で
「コロッケあげるの！？あげないの！？」
と言われた。ふへぇ、普通に丁寧に注文したのに。
呪いがかった声で
「全部あげてください。」
と言ったら、呪いが伝わったのか少し丁寧になった。
自分より若い人にはタメ口、自分より歳が上っぽい人には敬語を使ってて（なんだこの店員）とゲロゲロとなった。色々な人を今日も観察できた。
心を穏やかにするってなかなか自分には難しいスキルだったんだけど、これが今できるようになったのって、やっぱりSNSから距離を置いているから。しか思い当たらない。
デジタルデトックスどんだけメリットあんだよ。
てゆうか、どんだけ自分の特性とSNSの相性悪いんだよ。と日に日に、SNSを体の一部分のように駆使する、と言う時間が怖くなってる。
よしよしだな。
今日ものんびり、息子や犬の今後のことを考え、親である私ができることをしていこう。
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