晴天。数ヶ月前からデジタルデトックスの時間を意識的に取り入れるようにしてから、自分の時間が増え(最初はあまりにも暇に感じた)、心と脳に隙間ができ、余裕というものが生まれた。よく庭に出るようになって、庭にくる来客者をじっと観察する時間も増えた。
こんな素晴らしい自然観察ができる場所に引っ越したのに、私は家に引きこもって絵ばかり描く生活をしていたのが勿体無いと感じるけれど、私にはその時はそれしかできず、それが私に必要だったんだから悔やんでも仕方ない事だ。
あなたにとっての自然とはなんですか?
私にとっての自然は、心が休まり雑念が消える時間だ。
自然を見てると、そこに自分も溶け込んでいるような感覚になる、草も土も石ころも木も生き物も、ただそこにいて、言葉を話さなくても、自分たちが一生懸命にただそこにいて、生きてきた・生きているということを伝えてくる。私はこれをヒーリングナチュレと呼んでいる。
土をいじると元気になるという言葉や文をよく見かけるけど、私は触覚過敏が強すぎて、粘土や土を素手でいじることにストレスを感じる。土をいじって元気になるって感覚は分からないんだけど。
昨日、庭を通り過ぎようとしたら、黒い糸トンボが私の目の前を優雅に横切って行った。
あまりにも美しい色と、天空から糸で操られているような、地表をふわふわとした飛び方をするので、足を止めて庭に座り、このトンボに魅了され、数十分観察していた。周りにはたくさんの自然があるのに、虫や鳥や生き物は我が家にたくさん滞在してくれる。
この美しい糸トンボは
ハグロトンボ
と言う名前で別名
神様トンボ
とも呼ばれ、見るととても縁起がいい生き物らしい。神様トンボと言われてふさわしい美しさだったので、私が足を止めて数十分見入ってしまったことに妙に納得した。そして今日起きたら、このトンボのラフ画を描こうと決めていたので描いた。
エメラルドブルーの尻尾は太陽の光でキラキラしていて、目が離せないほどに美しかった。メスは尻尾が黒らしい。このトンボを見れるのは夏の間だけらしいので、偶然、このトンボと鉢合わせできたことを幸運に思って、幸せな気分に浸っていた。
オニヤンマは怖い…スズメバチの天敵と言われるぐらいなので人間が本能的に怖いと思うのは、私も生き物として防衛本能がちゃんと備わっているということなんだろう。
小学生の時にチャリンコで爆走していたら、オニヤンマが正面からチキンレースを仕掛けてきて、私のデコにクリティカルヒットしたトラウマもあり、私はオニヤンマが物凄く怖い。
自然を眺めて、偶然美しいものと遭遇できた時、私に足りないセロトニンが増える感じがする、きっとそうなんだと思う。女性はヒステリーだという、なんとも大雑把で差別的な言葉が未だ使われているけれど、女性は元々男性よりセロトニンが少ない。ADHDやASDを持っているなら尚更だ、性格の問題じゃなくホルモン量の少なさが原因な場合が多いってことを、子供の頃から学校や家庭で話す機会を増やすべきでは…と思っているし、私は息子によくホルモン量の少なさが人間の行動や思考にどういった悪影響を及ぼすかの話をしている。息子が将来、PMSやPMDD、脳の特性で原因がわからず苦しんでいる女性に「ヒステリーだね」とセカンドレイプしないように。簡単にヒステリーという言葉を使う人間には、ヒステリーの語源の由来と歴史を勉強して言ってるの?と目を見て聞きたい。
韓国で、そして日本でも大ヒットした
を思い出す。
今日はどこにも行かない。ときめた日なので、溜まっている新聞と
ビッグイシューを庭に椅子を置いて読もうと思う。昨日、偶然来訪してくれたハグロトンボにまた会えるかな。それとも、違うレアな生き物が来訪してくれるかな。
たまに、スズメバチやクマンバチが隕石級の速さで目の前を通り過ぎていくので、私は悲鳴をあげる。怖がると余計にくるよ。と植物、昆虫博士たちに言われるけど、怖がらないで仏陀の心になるなんて、まだ私はそこまで達観できていない。