しかくい山 

人と極力繋がらない暮らしは不幸なのか?をテーマに生きる。

お節介がプライドを傷つけてしまう事・別れ

昨日は、ピル処方で私が信頼している女医さんが当院を去るということで、ピルを処方してもらうのと挨拶がてらに顔を出してきた。

やはり、院内、暖房が効いているのもあって、柔軟剤、特に私がダメなレノア臭がすごい…人があまり密集していない、キッズスペースにいつも逃げ込んでいるんだけど、ここにはまた違った敵がいる。バイキンマンとカバとメロンパンナちゃんだ。

控えめな音で流されているアンパンマンのテレビ。控えめでも私の聴覚過敏は全ての音を拾ってしまう。キーキー喚くバイキンマンの声が不快で痛くてイライラする。耳栓をしていても読書に集中できない。それに加えて、これもまた控えめに院内で流されているオルゴール音とバイキンマンの声がフューチャリングしてリラックスもクソもない。

無音、無臭。なぜこんなにもないんだ。

 

人類学なんて小難しい本を持ってきてしまったことを少し後悔しながら、文字にあまり集中できずに読んでいると

 

中田さん。

 

と看護婦さんから呼ばれ、私はちょっと緊張した。

 

 

どうして緊張したかというと、先月だったか。

珈琲を切らしていることに気づいて、夜中に車を走らせスーパーに私は向かった。この日もとても寒い日だった。

入り口には、いつものご老人男性警備員がエスキモーのような出立ちで手をさすりながら立っていた。(あぁ、寒いもんね、このスーパー)と思いながら、店内を買い物し、そう言えば私、ホッカイロを持ってるわ。と思いだし、入り口にいる老人に渡そうと思った。

会話なんてしたこともないのに。

 

買い物を済ませ、店内を出る時に警備員さんに

 

 

あの…これ良かったら使ってください。

 

とホッカイロを差し出した。

そうしたら

 

持ってますので、大丈夫です。

 

と予想外の答えが返ってきたので、私は少し馬鹿みたいにパニックになってしまって、そこでやめればいいのに

 

いや、私たくさん持ってますので。

 

と食い下がってしまった。ばか…警備員さんは

 

女性からいただけませんので。

 

と言う。これにも驚いてしまった。時代と年齢だろうか。女性からいただけません。

結構なパワーワードだった。

なんのきなしに思いつきでした行為で勝手に自爆し、お節介や優しさについて帰宅の車の中で考えた。

 

お節介や自分の良かれと思ってした、軽い気持ちの行為が相手の尊厳やプライドを傷つけてしまうことがあるってことが私の中で抜け落ちていた。

あぁ。勝手に自分でした行為を拒絶されショックを受けている自分にも呆れた。

喜んでもらえると思い込んで、拒絶されたらショック受けるとか偽善者め。

 

 

あの出来事は私の頭をハンマーでスコンと綺麗に横撃ちしてくれた。

 

そんなこともあって、人に(渡す)行為に慎重になり、考えすぎるようになってしまった。

 

 

女性ホルモンの事、気圧のこと、発達障がいのこと、マルチに話ができる、話しやすい女医さんに感謝の気持ちを伝えたいと箱菓子を用意していたんだけど、女医さんに渡したら、後ろにいつもいる看護婦さんは?と看護婦さんの気持ちに今度は移入してしまって、看護婦さんにも少し渡そうか。いや、どちらにも言葉だけにして渡さないほうがいいか。

などと玄関を出る間際まで悩んだんだけれど、話したことがある人に感謝の気持ちや高価ではなく相手が気を使わない程度の品を渡すのは別に悪いことではないよな。。。

と紙袋を持って外に出た。

 

そうか、コミュニケーションが取れていない人、コミュニケーションが取れている人。

この双方では信頼や安心が大きく違い、警戒心が強い人、人間に対して不信感を持ってる人だったら、なおのこと気味がられて当然だわ。と書いていて思った。

 

私が知る中で1番の人間不信に陥っている男友達が

 

(人からもらった食べ物よく食べれるな…)

 

と言われ、目玉が出そうになったことを思い出した。

 

もらうことを迷惑だと思う人もいるんだった。

 

 

女医さんに、感謝の言葉と箱菓子を渡すととても喜んでもらえた。

後ろに立っている看護婦さんにも小さな袋を渡したら、(いえいえ、私は結構です)と言っていたけど、女医さんから手招きされもらってくれた。

 

女医さんが次に行く病院に私もついて行こうと決めていたので女医さんに次に行く病院を尋ねてみた。

 

 

(皆さん、私についてきてくださるとおっしゃってくださるんですが、あの熊本なんです)

 

と言われ開いた口が塞がらなくなった。

(新幹線もありますから)と冗談を言う女医さんに、熊本じゃ行けねーよ先生。

と心の中で嘆き、熊本かぁ…さすがに行けませんね、などと先生と会話していたら涙が出ていた。笑

なんで泣いてんだよ私と自分に引いてしまったし、女医さんは見て見ないふりをしてくれていた。

 

悲しくて泣いてるのか、別れが寂しくて泣いてるのか、感謝の気持ちを伝えていて泣いているのか、もうわからない。

こういった場面になると子供の頃から自然と涙が出てしまう。

 

的確に指示を出して説明してくれ、物腰が柔らかな女医さんにやっとやっと出会えただけに、悲しいけれど、熊本でこの先生と出会えた人たちは私のようにラッキーだね。

 

 

お元気でいてくださいね。

と別れを告げ部屋を出た。先生短い間でしたか、親身に丁寧に寄り添っていただき嬉しかった、ありがとうございました。

 

車の中で余韻に浸りながらかぶりつく

 

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